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シフトを取り消された・減らされたら|休業手当(平均賃金の6割以上)の考え方と確認手順

掲示板と長机のある店舗の休憩室で、エプロン姿の女性が黒いバッグを手にし、男性が黒い大きなバッグを背負って出勤の準備をしている様子

「確定していたシフトを前日に取り消された」「注文が少ないから今週は休んでと言われた」。こうしたとき、働いていない日の給料はどうなるのでしょうか。労働基準法には、会社の都合で休ませた場合に支払われる休業手当の決まりがあります(労働基準法第26条)。この記事では、厚生労働省の資料と法律の条文をもとに、シフトを取り消された・減らされたときの考え方と、確認の手順を整理します。

この記事の内容

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休業手当の基本:平均賃金の6割以上

使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合、使用者は、休業期間中、その労働者に平均賃金の6割以上の手当を支払わなければなりません(労働基準法第26条)。これは、働けなかった労働者の生活を守るための決まりです。

厚生労働省の留意事項(2026年6月19日改正)でも、シフト制で働く人についても同じであり、使用者の責めに帰すべき事由で休業させた場合は休業手当の支払いが必要だとされています。就業規則などで6割を超える金額を決めることは自由ですが、法律で義務づけられるのは6割までです。

休業手当の対象になる場合・ならない場合

「使用者の責めに帰すべき事由」は、使用者の故意や過失がある場合に限られません。厚生労働省は、地震や災害などの不可抗力による場合を除き、資材が集まらなかった、機械が故障したなど、経営者として不可抗力を主張できない場合を広く含むと説明しています。厚生労働省のQ&Aでは、注文が少ないことも使用者の責めに帰すべき事由にあたるとされています。

場面の例考え方
お客さんが少ないので休んでほしいと言われた会社都合の休業にあたり、休業手当の対象になるとされています
機械の故障や資材不足で作業ができなかった経営上の障害として、対象になるとされています
地震など事業の外部で起きた事故で、通常の経営者が最大限注意しても避けられなかった不可抗力として、対象外になる場合があります

実際に対象になるかは、休業の原因や会社が休業を避けるために尽くした努力などの事情で判断されます。

不可抗力にあたるには、①原因が事業の外部で発生した事故であること、②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしても避けられない事故であること、の両方を満たす必要があります。②については、在宅勤務などで働いてもらうことを十分に検討したか、ほかに就かせられる業務があるのに休業させていないか、といった点から判断されるとされています(留意事項)。

平均賃金と休業手当の計算方法

平均賃金は、原則として、休業した日(休業が2日以上続く場合は最初の日)の前日から数えてさかのぼった3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で割った金額です(労働基準法第12条第1項)。賃金締切日がある場合は、直前の締切日からさかのぼります。

  • 通勤手当や時間外手当などの諸手当も含み、税金や社会保険料を引く前の金額で計算します。
  • 臨時に支払われた賃金や、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)は含めません。
  • 賃金が時間給・日給などで決まり、働いた日数が少ない場合は、賃金総額をその期間に働いた日数で割った金額の6割(最低保障額)のほうが高ければ、その金額が平均賃金になります(同条第1項第1号)。

休業手当は、この平均賃金の6割以上を、休業した1日につき支払う形になります。また、1日の一部だけ休業した場合も、その日について全体として平均賃金の6割までは支払う必要があり、実際に支払われた賃金がそれに満たないときは、差額を受け取れるとされています。

休業手当は賃金にあたるため、休業した期間を含む賃金計算期間について決められた給料日に支払われます。

計算例(時給で働くシフト制の場合)

以下は、仕組みを理解するための架空の数字による例です。実際の金額は、賃金の内訳や締切日によって変わります。

項目数字
直前3か月の賃金総額27万円
3か月の総日数(暦日)92日
3か月に働いた日数36日
①原則:27万円 ÷ 92日約2,934円
②最低保障:27万円 ÷ 36日 × 0.64,500円
平均賃金(高いほう)4,500円
休業手当(1日あたり)4,500円 × 0.62,700円以上

架空の例です。実際の端数処理などは勤務先や労働基準監督署に確認してください。

この例では、取り消されたシフトが1日なら2,700円以上、2日なら5,400円以上が目安になります。月給とあわせて支給されている場合など、計算が複雑になるケースもあります。

「シフトを減らされた」ときの考え方

休業手当は、「働く予定だった日に、会社の都合で働けなかった」場合に考えるものです。シフトが減った場合は、状況によって見方が分かれます。

  • 確定したシフトを取り消された:確定した労働日や労働時間の変更は労働条件の変更にあたり、労働契約法第8条にもとづき、使用者と労働者の双方が合意したうえで行うようにとされています。会社の都合で取り消されて働けなかった日は、休業手当の対象になるか確認します。
  • シフトが確定する前に、希望より入れてもらえなかった:留意事項には、契約で「最低限働く日数・時間数」や「目安となる労働日数」を決めておくことが考えられると書かれています。契約書や労働条件通知書にそうした記載があるかが、確認の手がかりになります。
  • 所定労働日数が決まっている場合:所定労働日数は、その日数どおりに働くことを使用者と労働者が約束するものです。留意事項では、使用者の都合で一方的に所定労働日数を増減させることは認められないとされています。

なお、いったんシフトが決まったあとの変更は、事前に「変更を申し出る期限」や「手続」を話し合って決めておくことが望ましいとされています。就業規則や労働条件通知書にルールがあるかも確認しましょう。

確認の手順と相談先

  • 記録を集める:取り消される前のシフト表やメッセージ、取り消された日時と理由、給与明細を残します。
  • 契約内容を確認する:労働条件通知書、雇用契約書、就業規則に、シフトの変更ルールや「目安となる日数」、休業時の扱いが書かれていないか見ます。
  • 会社に確認する:取り消しの理由と、休業手当の扱いを、できればメールやメッセージなど記録が残る形で尋ねます。
  • 相談する:解決しないときは、都道府県労働局や労働基準監督署内の総合労働相談コーナーに相談できます。シフトの減少などのトラブルは、個別労働紛争解決制度の対象になるとされています。

離職したときの雇用保険の扱い

留意事項によると、シフト制の労働者が、具体的な就労日数が労働条件として明示されているのにシフトを減らされて離職した場合や、契約更新時にシフトを減らした条件を示されたため更新を希望せず離職した場合は、雇用保険の「特定理由離職者」または「特定受給資格者」と認められ、給付制限を受けないほか、基本手当の所定給付日数が手厚くなる場合があるとされています。ただし、加入期間が短いと日数が変わらないこともあります。自分が対象になるかどうかは、ハローワークで確認してください。

取り消しに備えて記録を残す

休業手当や相談では、「いつ、どのシフトが決まっていたか」を示せることが大切です。確定したシフトは、受け取った時点でカレンダーに登録しておくと、あとから変更や取り消しがあっても元の予定を見返せます。

Shift2Calは、シフト表の写真やスクリーンショット、PDF、CSVをAIで読み取り、カレンダーに登録できるアプリです。登録前にプレビューで内容を確認・修正でき、Apple カレンダー、Google カレンダー、Outlookと同期できます。読み取りは端末上で行うため、職場から受け取った資料も安心して扱えます。なお、休業手当の計算や、対象になるかの判断はアプリでは行いません。

関連記事:シフト制で働く人の基本ルール|厚労省の留意事項(2026年6月改正)を解説

出典:
厚生労働省「いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」(令和4年1月7日、令和8年6月19日改正)
e-Gov法令検索「労働基準法」(第12条、第26条)
厚生労働省「確かめよう労働条件 Q&A:会社都合で休みをとらされましたが、給料なしは労基法上ありですか?」
厚生労働省 神奈川労働局「平均賃金について」

この記事は上記の資料をもとにした一般的な情報であり、個別の事案についての法的な助言ではありません。休業手当の対象になるか、金額がいくらになるかは、実際の契約や事情によって異なります。迷ったときは、勤務先の就業規則や労働条件通知書を確認し、総合労働相談コーナーや社会保険労務士などの専門家に相談してください。

よくある質問

シフトを会社の都合で取り消されたら、休業手当はもらえますか?

使用者の責めに帰すべき事由で休業させた場合は、平均賃金の6割以上の休業手当の支払いが必要です(労働基準法第26条)。シフト制の労働者も同じで、地震などの不可抗力による場合は対象外です。実際の事情によって判断されます。

「注文が少ないから休んで」と言われた日は休業手当の対象ですか?

厚生労働省のQ&Aでは、注文が少ないことは使用者の責めに帰すべき事由にあたるとされており、休業手当の支払いを受けることができるとしています。

平均賃金はどのように計算しますか?

原則として、休業した日の前日からさかのぼった3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で割った金額です(労働基準法第12条)。時給や日給で働いた日数が少ない場合は、賃金総額を働いた日数で割った額の6割のほうが高ければ、その額になります。

シフトを減らされたときはどこに相談できますか?

都道府県労働局や労働基準監督署内などにある総合労働相談コーナーに相談できます。シフトの減少などのトラブルは、個別労働紛争解決制度の対象になるとされています。